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上記アイコンは、オンラインノベルRPG『銀幕★輪舞曲』の世界観にもとづき、作成されたものです。著作権は新田みのるイラストレーターにあります。

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2024.05.19 |

「嬉しい」の言葉だけで救われます。

イヤ、マジで。
ミュのチケはトナカイも欲しいよーギャー。

あ、ウィズでやっとマツタケげっと出来ました!
早く食べるor横流ししないと、アゼルに取られちゃうよ!
今日も日付変わる頃に書き込みに向かいたいと思います~。

パティシナは完了!
いつも4人だけでも、プレが大変です。
今から夜の蝶が楽しみですv


対策課サイトはひっそりネタを04~09まで更新。
こそこそ追記されていく予定。

折りたたみで、二次創作です。
公式見解「禁止ではない」が生まれて初めてでドキドキしつつ、でも免罪符にはしない覚悟で頑張りたいと思いますー。





『オータムスカイ』

「っくしょ!」
 後ろの席で、くしゃみと共に盛大に風邪菌を撒き散らした山西に、高梨は笑いながらティッシュを差し出した。
「山西くん、風邪?」
「そーみたいです。昨日布団蹴って寝ちゃって」
 平日の午後である。
 対策課内は珍しく閑散としていた。
 市民は今、杵間山で行われている秋の味覚を楽しむツアーにこぞって出掛けている。
 事件もない、今のところ急を要する依頼もない。
 こうして職員同士、世間話が出来る位には落ち着いた、つかの間の平和な一時だった。
「あーっ、高梨さんいーもん使ってる!」
「ふふふ、コレ?」
 鼻をかむ為俯いた山西は、視線を落すやいなや声を上げた。
「少し早いかな、と思ったんだけど。私寒がりだから」
 高梨の膝の上には、暖かそうなフリース地のひざ掛けが乗っていた。
「えいっ」
「わっ!」
 掛け声と共に突然高梨は、山西の頭からフワリとひざ掛けを被せた。
 心地良い温もりに包まれ、山西は気持ちよさそうに両目を細める。
「暖かい?」
「はいっ!」
 2人の間で漂う、まるで姉と弟のようなほのぼのとした空気。
 いつもの対策課らしからぬ穏やかなそれは、しかし突如乱入してきた草間によってあっという間に壊された。
「やだ高梨、言ってくれれば私がいくらでも温めてあげたのに」
「ひゃっ!」
 イキナリ背後からがばりと抱きつかれ、やたら体中揉みくちゃにされる。
 高梨は堪らず悲鳴を上げた。
「ヤダ、草間先輩、ちょっと! 変なトコ触んないでくださいっ!」
「高梨、貴女もうちょっと太った方がいいわ。抱き心地悪いったら。今度焼肉食べに行きましょ、焼肉」
「あーいいですね、焼肉!」
「山西、アンタは誘ってない。『待て』も出来ないような子はお断り」
「うえーっ!?」
 既に対策課の名物となりつつある、百合漫才と犬弄り。
 いいだけ高梨の体を堪能し満足したのかホールドを解いた草間は、ふと山西の有り様に気付き、眉を上げた。
「山西、アンタ何ソレ。真知子巻き?」

――時が、止まった。

「え?」
「はい?」
 真知子巻き?と揃って首を傾げる高梨と山西。
 草間との年齢の差は、名誉の為この場ではあえて伏せる。
 しまったと、引きつった笑みを顔に張り付かせた草間は、次いで背後から漂ってきた笑いを噛み殺すそのオーラに、振り向きざま声を荒げた。
「ちょっと、邑瀬! 笑うんならちゃんと笑いなさいよ!」
「……いや、失礼。流石の草間さんもジェネレーションギャプの前には撃沈ですね」
 表情は崩さずに、器用に肩と腹部だけで笑いを堪える邑瀬。
 その様が、草間の怒りを更に買う。
「煩い、ムカツク。笑ってる時点でアンタもこっち側よ」
「私の場合は、まあ。知識として?」
「私だってそうよ!」
(ちなみに『真知子巻き』が分からないお嬢さんは、お父さんやお母さんに聞く……よりも、ググった方が早いかもしれません)
 笑いおさめ一息ついた後、顎に手をやり改めて山西を眺めた邑瀬は、後輩がまとうショールをやたら丁寧な手つきで熱心に直すと、無駄ににこやかに言った。
「山西くん。こういう場合『機械の体なんていらないよ!』って言うんですよ」
「え?」
「はい?」
 再び揃って今度は反対方向に首を傾げる高梨と山西。
 アンタマニアック過ぎるのよ、と草間は半眼だ。

「それにしても……」
 自ら被せておきながら、山西の様に高梨は小さく笑みをこぼした。
「ふふふ…あ、笑ったりしてゴメンネ……。でも…あはは……!」
「えー、なんですか?」
 止まらない笑いの衝動に肩を震わせながら、高梨は言った。
「うん、なんか、山西くん『拾ってください』って感じで……」
「「ぶはっ」」
 草間と邑瀬が同時に吹き出した。
 共通して頭に浮かぶイメージは、ダンボールの中毛布に包まれ震える仔犬、だ。
「あはは、ヤダ、ホントだ。まんまじゃない!」
「え?」
「ははは、『名前はポチです』『夜鳴きはしません』『愛嬌があります』『トイレはまだ覚えていません』、そんな感じでしょうか?」
「ええー?」
「酷っ、でもソレ最高! あはは、ハマるーッ!」
「えええええー?」

 爆笑に包まれる対策課内。
 その笑い声は、少し業務時間の物としては大き過ぎた。
 見かねて、それまで静観していた植村が立ち上がる。
「皆さん、いい加減に…………、え?」
 全員から無言で指を指され、慌てて振り返り植村は息を飲んだ。
 真後ろに、お盆に手作りと分かるスイートポテトを載せた灰田が立っていた。
「えっ、あの……っ?」
「スミマセン、植村さん。今日はイベントで、でも対策課はお留守番だから、せめて気分だけでもと思って、私が皆さんに休憩しませんかと声を掛けたんです……」
「えええっ!?」
「ほぉーんと植村さんって、空気読めませんよねぇー」
 灰田の後ろに、全員分のお茶を乗せてきた桃子が、さらっと毒を吐く。
 お待ちかね、各自配られる3時のおやつに、皆一斉に行儀良く席に戻る。
 植村も、咳払いをひとつ、無言でそれに倣った。
 灰田のスイートポテトは程よい甘さでとても美味しかった。
 桃子は意趣返しのつもりか、植村に1人だけお茶を置いていってくれなかった。
 自分で取りに行くか、と立ち上がりかけた所で、珍しく気を利かせた山西が飲み物を持ってきてくれた。
 でも、コーラだった。

「今頃皆さん、楽しくやっているかしら?」
「何事も起きていたければいいけど……」
「まあ、無理じゃない?」
「ですよねーっ」
「それも込みで、銀幕市らしいんじゃないですか?」
「あーん、あたしも行きたかったぁー」
 揃って窓の外見上げる秋の空。
 きっとあの向こうでは、愛すべきこの街の住民達が、いつものように大騒ぎでバーベキューに興じている事だろう。
 容易に想像できるその姿に、植村もまた小さく笑みを浮べる。
 甘いお菓子に温かなお茶。いつまでもこうしていたけれど……。
「さてと」
 パン、とひとつ手を打ち皆を促す。
「さ、皆さん、お仕事ですよ!」
 植村の声に、まるではかったかのようなタイミングで、けたたましく電話が鳴った。
 それを合図に、皆それぞれの仕事に戻っていく。
 まるで休ませてもくれないんだもんなぁ。内心苦笑しながら、でも思う。
 この方が、断然銀幕市らしくて、対策課らしくていい。
 急かす受話器に手を伸ばし、植村は明るい声で答えた。

「ハイ、対策課です!」




秋の味覚ツアー、対策課メンバーはお留守番のイメージでお届けしました。
いや、普通にきてるかもしれませんが。(笑)
植村さん、灰田さん、山西くんは居残り組み、ですよね? オープニングより。
あの3人の会話、可愛すぎました…v

ぼかして書いておりましたが、高梨さんは草間さんにメッチャない胸揉まれています。(言ったら台無し)
生まれて初めて萌えた百合はこの2人、と告白しておきます。ラブー
やっと全員書けて嬉しいー…。
それにしても、この更新速度は我ながら異常…。
そろそろ落ち着けばいい。

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2008.11.14 | Comments(0) | Trackback() | 銀幕★日記

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